
四季があるとはいえ、その変わり目の時期の長さや移ろい方が日本とは異なる上海。
一口に秋と言っても、日によっては欧米人がTシャツ短パンで歩いている横を
セーターを着た中国人が歩いているという、そんなおもしろい光景を目にすることもあります。
今回は、夏の疲れを癒して寒い冬を乗り越える準備をする秋の養生と薬膳について、
10月21日、上海春澤中医クリニックの葉紅医院長にお話いただきました。
近年日本では薬膳がブームとなっていて、皆さん少なからず知識をお持ちのことだと思いますが、
葉先生のお話は、中医学の基本的な考え方の解説もわかりやすく、
薬食同源(日本語では医食同源)の具体例の豊富さに会場内はペンを走らせる音が。
西瓜の皮と実と間の白い部分やとうもろこしのひげなど、
私たちの普段の生活の中では何も考えずに捨ててしまいがちなものにある素晴らしい効能に
あらためて食物が与えてくれるもののありがたさを知るひとときでもありました。
お話の後は、試食の時間。
いずれも中国の食卓ではおなじみのものばかりですが、
初めて食される方も少なくなかったようで、作り方に関する質問が活発に行われました。
写真中央:山楂子茶とゴマクルミ(芝麻核桃) 右:小豆とハトムギ、百合根のスープ
コレステロール対策に有効な山楂子茶、
美肌効果が期待できる小豆とハトムギのスープの作り方に皆さん興味津々。
「明日から毎日飲まなくちゃ」「(山楂子茶を)夫に作ってみるわ」などの感想も
あちこちから聞かれました。

写真左:龍眼とナツメ、蓮の実のスープ 中央:扁豆(いんげん)の炒め物 右:山芋、牛蒡、人参の煮物
扁豆は日本ではいんげん豆の他、フジマメ、千石豆、つる豆などと呼ばれている豆です。
家庭で調理するとなかなか味が入りにくいのですが、とても美味しく味がしみていて、
参加者の皆さんに大好評でした。
質疑応答では、ご家族の健康に関する質問がいくつか出ました。
個々の状態については、診察を経なければ正確な判断はできませんが、
その回答の中に質問者の方以外の皆さんの生活のヒントになる話もあり、
短いながらも有意義な時間となりました。
最後にスポーツクリニックサイノユナイテッドヘルスの佐藤さんから、血液とリンパ液のお話、
そして手軽に体調を整えることのできるリンパマッサージについてご紹介いただきました。
意外と知らなかったリンパの話、リンパ液の大きなはたらきとその循環について知ることができました。
マッサージは誰かと話をしながらでも簡単にできる動作で、
皆さんすぐに体得されたのではないでしょうか。
きっと皆さん早速実践されてらっしゃることと思います。
講座にご参加くださった皆様、講師の先生方、ありがとうございました。
参加者:19名 収益:3200元(参加費:2850元 寄付金:350元)
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