4月25日(土)、徐匯区図書館にて
日本語交流会(兼日本語教室終了式)が行われました。
下記、参加者石原和恵さんよりいただいた感想です。
今日は、徐匯区にある図書館が主催する日本語教室の交流会を兼た
終了式に出席させていただきました。
入ってまず最初に驚いたのは、人数の多さです。
実は私はせいぜい20人ぐらいだろうと思っていたのですが、
大きな会場に20代を中心に80名ぐらいは集まっていたと思います。
素朴でまじめな表情の生徒達がこの会を楽しみにしているという雰囲気に、
会場に入った瞬間から心が打たれてしまいました。
何も始まらない前から、この会に参加させていただき、本当に良かったと思いました。
終了式では、図書館長の挨拶や先生方への感謝の花束贈呈があり、
その後に交流会になりました。
生徒が5-10名ぐらいのグループに分かれ、
そこに日本人ボランティアが入り、日本語での交流会、
いわゆるおしゃべりをしました。
私のグループは会話になる日本語レベルの方は1人でそれ以外は、
私は○○です。と日本語で言うのがやっとという、
まだ平仮名を習いたてというような方がほとんどでした。
日本語を話すのはとても無理ということで、いつの間にか中国語での会話になっていましたが、
もちろん私の中国語も彼らと同じ低いレベルですので、細かい話になると何語でもよく通じません。
その日本語レベルの高い生徒が通訳をしようとしてくださいましたが、
それでも、この言葉は日本語でなんて言うのかな、と結局お互いよく分らないまま、
笑って終わらせるということがしばしでした。
彼らが日本語を習おうと思ったきっかけですが、
「家と会社の往復になってしまうので何かを勉強したかった。」
「アパートの管理の仕事をしているがお客様が日本人が多いので
話せるようになりたかった。」
「日本のゲームやドラマが好きで興味を持った。」など
さまざまでした。
会話の中で感じたのは、彼らの中の日本は技術の進んだ国、
自然の美しい国、そして日本人は働き者で礼儀正しい、という
イメージがあるようです。そのような憧れを感じる国の人から
直接何か話を聞いてみたいと思ってくださっているようで、 私の自己紹介に皆目を丸くしながら耳を傾けてくださいました。
しかし、憧れに応えられるような自己紹介ができるわけでもなく、
申し訳ないような気持ちになってしまったのですが、
せめて彼らが持つ日本に対するイメージを壊すことがないように、
せめて笑顔だけは欠かさないようにと努力した次第です。
このような私ではありましたが、ボランティアの参加を大歓迎してくださり、
生徒達はとても喜んでくださいました。
この交流会の中では、日本の歌の披露もありました。
四季の歌、翼をください、川の流れに身をまかせ、など
オーソドックスなものから、NHK歌声のど自慢を見ているかのような、
元気いっぱいの振り付け付きの流行の歌謡曲まで、
どれも上手で微笑ましいものばかりでした。
この日本語教室担当の李先生は「お金はお墓に持って行けないわ。
だからここでボランティアで教えるのが一番良いのよ。」と
元気に語ってくださいました。
ここでは、学び方を教え、自分一人でも勉強できるようにするのが目標だそうですが、
やる気があって才能があるとどんどん伸びていくということでした。
また、この図書館の日本語教室の生徒は200名ぐらいはいるそうで、
日本語に興味を持つ人の多さに驚きました。
私が上海に赴任をしたのは2005年の反日デモが起こった頃でした。
そのデモが衝撃だった私にとって、対日感情は非常に感心のある大きなテーマです。
最近の中国は親日ムードが高まっており、そのことに感謝しつつもその感情の変化の速さに驚いています。
この親日感情を保っていただくことは、日中の平和ももちろんですが、
日系企業が優秀な人材を集め、日本製品を購入していただくことにつながり、
それが将来の日本の国力にも繋がることになると思います。
この親日感情にどのように応えていけるのか、そして更に広げていけるのか、
その意味でこの日本語教室のボランティアは語学を教えることを超えた
とても意義あるものであると思いました。
今回、互人多から呼びかけられた日本人ボランティアは10名ほどで、
参加の多くは駐在員のご婦人方でしたが、彼女達の日中友好への貢献の大きさを知ることもできました。
私事で恐縮ですが私の上海駐在生活は残り2ヶ月になりました。
日本人であれば誰でもできて、日中友好の種蒔きができるこのボランティアに
今後も多くの方が参加されることを心から願いつつ、
上海生活の終わりにこのような素晴しい経験ができたことに感謝しています。

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