まだまだ支援の必要な互人多小学校
現在互人多小では88人のこども達が学んでいます。そのほとん
どは牧民家庭のこども達で、世帯の年間所得は1000元前後、学
校に通うため必要な雑費60元(学費は不要)すら払えぬ家庭も
多く、この地区(巴松多鎮)では2割以上のこども達がいまだ
に未就学です。
互人多小が建つまでは、父兄の教育への関心は薄く、こども達
は家の労働力としてみなされていました。しかし、学校開校以
来、共産党青年部の啓蒙活動などにより、徐々に各家庭でも教
育の必要性を認識し始めるようになりました。今では多くの家
庭や地域社会が学校を支持しています。学校周辺にも小さな店
ができ、人々はこの一帯を『互人多』と呼んでいるのだそうです。
一方、問題も起こっています。それは学校拡大計画です。近年この地域は砂漠化が深刻、その防止政策によ
り、今秋には、189戸の牧民が ?巴松多鎮から互人多近くに建設される集合住宅に移され、さらに、来年に
は隣の果洛蔵族自治州から約300戸が移動してきます。このため互人多小はさらに500人の学童を受け入る
ための新校舎建設が必要で、その費用は200万元かかるのです。
今回互人多も、同徳県教育省より更なる支援を求められました。私達
もこの事実を真摯に受け止め、希望工程へも報告いたしました。しか
し一方で砂漠化による移民政策は西部全体の問題で、もっと貧しい地
域もたくさんあることを知らされました。だからといって同徳県への
支援の手をとめることもできません。
今私達ができることは、現地を実際に見てきたものとして、青海の現
状を伝えていくことと思っています。
そして引続き、互人多の活動を続けることでもあると。『継続は力な
り』の言葉どおり、互人多を支えてくださる皆さまの支援の継続によ
り私達は青海の地に学校を建てることができました。これからも地道
に活動を続けること、これが将来必ず中国のこども達を支援すること
と信じております。
今回のツアーは「もの」を送る支援ではないのでその成果を目では確認することはできません。けれど交流
を通じて様々な感動が生まれたに違いありません。この感動を忘れずに、また日々活動を続けたいと思って
おります。
最後になりますが、ツアー実施にあたり、特にご協力いただいた上海希望工程、青海希望工程、青海省同徳
県教育省及び文化省、上海日本人学校、国誉貿易有限公司(コクヨ)、虹文庫各位、そしていつも互人多の
活動を心にとめご協力くださる皆さまに心より御礼申しあげます。
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